派遣村関連について考える(その2)

今回の問題では、派遣村というネーミングの良し悪しとか実行委員会であるところのもやいの会のやり方に関してはさておいて、一番ポイントになるのは「社会の問題の可視化」がなされたという点にあるんじゃないでしょうか。

どの国でも問題になる、失業問題と弱者に対するセーフティーネットですね。普段は所在等を把握しづらかったりするこれらの人達がせっかく一カ所に集まっているわけですから、ここでセーフティーネットを強化したりすればいいと思うのです。

でも、それが12日に解散してしまうと、また散り散りになったりして所在がわからなくなっちゃったりするわけです。それはある意味もったいないことなんじゃないでしょうか。

後は、支援の方法も色々と考えるいい機会になるのかもしれません。僕の経験で申し訳ないんですが、年越し炊き出しをやったときに、ホームレスの方々に寄付で集まった衣類を配るということもやったんですよ。寒い冬でも暖かい格好をして乗り切ろう、と。

僕としては、防寒・越冬が目的なんだから、暖かくなるものであれば多少格好が悪かろうと問題無いと思っていました。ので、そういう物も薦めるわけです。でも、ホームレスの方々はそれらはいらないと言うんですね。何故なら「そんな服じゃ面接に行けないから」

なるほど。ただ暖かい服が欲しいんじゃなく、面接に行く時に着られるような服が欲しい人もいる、というかそちらの方が多いんだと思うと、ちょっと自分の考えの至らなさにショックを受けました。

そのときに、こういう支援というのはただこちらが「あれをあげればいいだろう」「これが不足しているに違いない」と考えた物を押しつけるだけじゃ駄目なんだ、ということが心からわかりました。今までにも、たとえば新潟の地震の時に全国から寄付された品が実はあまりまくってもったいないことになったとか、そういうニュースも見ていたはずなのに、しっかりと理解していたわけじゃなかったんですね。

だからこそ今回の支援でも、一人一人に欲しいものを聞くことから始めるのが大切だと思うのです。人によっては寒さをしのぐ服が欲しいという人もいるだろうし、面接で使えるような服が欲しいという人もいる。住居つきの仕事が欲しい人もいれば、仕事はあるから住居が欲しいという人もいるわけで。こればっかりは一人一人に聞いてみなくちゃわからないし、もし聞くことができたら支援の無駄を省くことにもつながるわけです。

というわけで、会合はそういう支援を行っていこうという方向性を決めて終わりました。今回は区議さんが中心となった会合なので、NPOというわけではないんですが、集まった人達でやれることはやってみようということになったんですね。僕はちょっと他の予定があって行けないんですが、9日の午前中からそういうニーズ調査を行うアンケートのための動きを行います。また何か詳しいことがわかったら記事を書くかもー