麻生太郎講演「とてつもない日本」を聞いてきた(その2)

麻生さんは他にも日本のいいところを挙げていました。特に、外国の人が日本に来て驚いた点をいくつか挙げてみると

「地下鉄で夜中に寝ていても大丈夫なんて信じられない」
自動販売機が外に出たままなんて! そんなことありえないよ!」
「夜中に女性が一人で公園を歩いている? そんな治安のいいところがこの世にあるわけがない」

これは全て、外務大臣時代に麻生さんが実際に海外の方から言われたことだそうです。

例えばニューヨークなんかでは、地下鉄の中で殺される事件はもう当たり前すぎていて、全てがニュースとして報道されないぐらいの頻度で発生している、と。それが日本では終電でサラリーマンが地下鉄の中で寝ちゃっていても、財布を盗まれたり殺されたりしないだなんて。治安がいいにもほどがある!

自動販売機は販売をしているんだから、中にお金が入っているんだろう? ということは、普通の場合、自動販売機を外に出していたら、あっという間に壊されてお金を盗られてしまうよ。でも日本ではこんなにもたくさん自動販売機が外に出ている。なんてアンビリーバブル!

夜中に公園の中は、大の男ですら歩くと怖いし、そこで殺されても殺されるのが当たり前でニュースにもならない、というのが常識だろ? でもなんで、あの女性は夜中に一人で公園を歩けているんだい? 変じゃないか!

というようなことを言われてたんだそうです。

これってどれもこれも、我々としたらごくごく当たり前のことなんですが、その当たり前というのが実はとても凄いことで。そういう我々が気づいていない点が高く評価されているということを、日本人はもっともっと知った方がいい! と力説されていました。

それから日本人が外からどう見られているか意識していないという事についてはこんな話もしていました。

日本の経営者は、勝って兜の緒をしめよ的な意味で、どんなときでも朝礼の挨拶などで「我が社を取りまく環境はとても厳しい。だが……」という話をしがちです。それは、日本人の間でだったらいいわけです。

ところが大きな会社だったりする場合、このスピーチは直訳されて海外へ伝わってしまう。そうすると、どんなに好調に見えてもトップが厳しいって言っているんだから実は厳しいんだろうということになってしまう。ニュアンスまでは伝わらなく、そのまま直訳的に伝わっちゃうんですね。そうなると「あ、やばいんだ! 株売らなきゃ!」となって、どんどん日本の株が売られてしまったりする、と。

もちろん日本国内では、「我が社を取りまく環境は厳しい」的なメッセージで全然かまわないんですが、海外と関係するところだったらもっと海外からどう見られるかを意識しよう! とのことでした。つづく。