麻生太郎講演「とてつもない日本」を聞いてきた(その1)

秋葉原の奴をどうまとめようかと悩んでいるうちに、近所にローゼン閣下こと麻生太郎さんが来るということで、講演を聞きに行ってきちゃいました。会場は500席以上入るところだったんですが、立ち見が出るほどの盛況ぶり。若い人もちらほら見えます。

麻生さんはちょっと遅刻して会場入りしたんですが、もう最初から飛ばす飛ばす。

「この中で、生で麻生太郎を見るのが初めてって人はいるかい? お、結構多いね。じゃあ、どうだい。実物はテレビよりもいい男だろう」

政治家の講演でこんなスタートは初めてかも。面白いなあ。

講演の内容はタイトルが「とてつもない日本」ということで、基本的には著書である「とてつもない日本」とだいたい同じ話の構成でした。

まず最初に強調していたのは、日本は海外から高く評価されているという点。

ぶっちゃけた話、中国と韓国以外の国からは日本というのはかなり高く評価されている。で、これは日本がお金を出している(ODAとか)からだろうと思う人は考えが古い。今はODAでお金を出している国で言うと、日本は世界で5位でドイツよりも下に位置していると。近々イタリアよりも下になるとのこと。

というわけで、日本はお金を持っていてお金を出しているから高く評価されているんだ! と、いうのは事実ではないそうな。むしろそういうことを言っているいわゆる団塊の世代が想像していない、彼らが言うところの「いまどきの若いもんは」という若いもんが評価されていたりするわけです。

ホンジュラスで日本の青年海外協力隊が活動をしていたとき、現地の子があまりにも計算とかできないのがわかった。これは何故だろうと思って原因を調べてみたら、教科書が悪いのが全ての元凶だったという。教科書の出来があまりにも悪いので、先生側も上手く教えられないし、子供も勉強がわからなくなって学校に来なくなってしまう。

そこで青年海外協力隊スペイン語で教科書を作成。さらには先生用の副読本も作っちゃった。もちろん正規の活動外だから無償で現地の子達のためにやったこと。でもそのおかげで子供が学校に来るようになり、わずか3年ぐらいでその地域の学力がぐーんとあがったという。これは算数指導力向上プロジェクトして、周辺の国も参考にしている大きなプロジェクトになっています。いまではその時に作られた教科書が、ホンジュラス初の「国定教科書」になっているそうな。

それとか、若者文化の象徴たるさまざまなキャラクターがいま世界でどれだけ評価されているか。例えば東南アジアでは、それこそミッキーやドナルドよりもポケモンドラえもんの方が人気があるというか、もうポケモンドラえもん一色と言っていいほど。日本だとどうしてもディズニーの方がキャラがたっているように見えるけど、外では全然違うんですよ、と。(ちなみに『キャラが立ってる』って言葉がわからない人はこの話が理解できない層だねとか言ってました)

もちろん団塊の世代でも日本のイメージアップに貢献している人はいて、警官を退職した後にインドネシアで交番を作って婦人警官を配置し、その地域の犯罪発生率を減少させると同時に女性の雇用問題を解決し、今や国中にそれが広まることになった現地では神様のように尊敬されている人の話とかもされていました。

ここでポイントになっているのは、青年海外協力隊の人達も、交番を広めた人も、自分たちにとっては当たり前の活動しかしていないというところ。日本人にとってのスタンダードが、これだけの成果を生み出し、周囲の国にいい影響を与えているんです。

こんなにもいいイメージを持たれているし、素晴らしい活動をしている人達がいるのに、日本では他の国からどのように見られているかを意識していない人が多いわけです。これはもったいない。

もっともっとどのように見られているか、そして日本のスタンダードは世界に通用するものもあるんだということを意識していこう! ということでした。つづく。